研究課題
本研究では,マクロセル環境において,セル内の基地局が端末や中継局と協調して周辺の干渉を監視制御するとともに,空間・周波数のリソースの動的制御により周波数資源を有効活用する手法を複数提案し,計算機シミュレーションによりそれらの有効性を示すことを目的としている.今年度は,昨年度作成したツールを用いて,多数のユーザが存在する場合に,ユーザスケジューリングを用いずにマルチユーザMIMOの特性を改善する2種類の方法を提案した.1番目の手法は,ユーザの信号電力が低くなるアンテナを使用しない手法であり,この手法により,マルチユーザMIMOにおける干渉除去の負担が軽減できることが起因して,所望ユーザへの品質を向上できることを示した.この方法では,サービスエリアの端では有効であることが確認できたが,ユーザの伝送レートが高くなる場合,従来の手法より誤り率特性が劣化する現象が見られた.そこで,ユーザ側で伝搬チャネル応答を用いた指向性をユーザのアンテナよりも1個少ない形で形成する手法を提案した.この手法により,ユーザ数や伝送速度に関係なく,従来のマルチユーザMIMO伝送よりも高い通信品質を得ることが確認できた.なお,本成果は,アンテナ伝搬研究会において2回(11月,3月)にわたり報告を行うとともに,国際会議EuCAPに投稿し採録された(4月発表).また,本成果は,4月中にIEEE Wireless Communicationに投稿する予定である.また,OFDM信号のヌルキャリアを利用したブラインド型の新しい干渉除去法も提案し,その成果はIEICE CoMEXに投稿し,採録された(1月).以上の成果により,多数のユーザが存在する無線通信システムにおいて,高い性能を得る信号処理技術を提案することができた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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IEICE Communication Express
巻: Vol. 2, No. 2 ページ: 25-30
DOI:10.1587//comex.2.25
巻: Vol1. No.3 ページ: 113-118
DOI:10.1587//comex.1.113
American Journal of Operations Research
巻: Vol.2, No.3 ページ: 339-347
doi:10.4236/ajor.2012.23041