研究課題
アレー信号処理のシミュレーションにおいて、多くの場合雑音が無相関であると仮定している。しかしながら、これまでの申請者の研究で、実際の受信機では雑音に相関があることが明らかになった。本研究は、実際のアレー受信機を用いることにより雑音の相関発生メカニズムを明らかにし、実際の受信機に即したシミュレーションモデルを構築し、雑音の相関による到来方向推定精度への影響を評価することを目的としている。さらに、次の段階では、ソフトウェアによるキャリブレーションにより雑音の相関の影響を除去する方法を提案することを目指していく。当該年度の研究では、科学研究費補助金により16チャンネルA/Dコンバーターを購入し、既存のアレーアンテナシステムに組み込んだ。このシステムのハードウェア・ソフトウェアを構築し、実験を行うことができるように環境を整えた。構築したシステムを稼働させ、実際の雑音波形を取得して、アレー受信機の雑音の相関の定量的な評価を行った。さらに、受信機をブロックごとに動作させてデータを取得することにより、受信機の内部のどの部分でどのような雑音の相関が発生しているかを明らかにした。特に、局部発信器は一つの信号源の出力がアレーの全素子で共通して使用されているために、この部分を重点的に調べた。また、アンテナの相互結合や、受信機内部の配線の電磁誘導結合・静電誘導結合が雑音の相関の原因になっていないかも調査した。
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IEICE Trans.on Commun.Vol.E94-B, No.05
巻: E93-B ページ: 2666-2669
http://researcher.nitech.ac.jp/html/175_ja.html