研究概要 |
本研究課題の1年目では,双方向予約の成否を待っている間に OCDMAによる符号化を行なうこどで,片方向予約でスロット送信を開始させる方式について検討した.双方向予約の成否を待っている間に符号化して送信することで,中継ノードにおいて予約競合があっても受信ノードにおける成功確率を高めることができること,及び片方向予約によって予約信号が送受信ノード間を往復する間何もしないでいる時間にもスロット伝送が可能になることから,バースト伝送にかかる全遅延を大幅に小さくできることを明らかにした.なお,この片方向予約の導入により,内部ネットワーク負荷の上昇という問題が想定されたが,この問題に対しては,OCDMAの符号化によって,片方向予約の導入による内部負荷の上昇に耐えうる送信成功率を明らかにした.これまでの研究成果において,重複転送される際に問題となる多元接続干渉の影響を,誤り訂正符号の利用により,大幅に改善できることを,一般的なトラフィック分布において明らかにしている.このときに得た伝送路モデルを使用して,片方向予約の伝送路を再現し,複数の送信ノードが存在するネットワークにおいて全遅延特性をシミュレーションを行った.片方向予約方式を導入する提案方式について,片方向予約を導入しない方式に対する遅延の改善値を数値することで,本研究の優位性を明らかにした.なお,シミュレーションは,均一なトラッフィクから,より現実のネットワークに近いNSFネット(14ノード,20リンク)及びUSAnet(46 ノード,76リンク)のネットワーク構成において,遅延特性およびリンク単位の予約の棄却率について定量化をおこなった.これらの成果について,国際会議において発表した.
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