研究概要 |
照明系と撮像系の光軸を同一とした並進移動格子によるリアルタイム3次元計測手法について研究を行った.本研究では,光軸を同一とすることで物体自身の影により3次元計測ができない領域を生じてしまうオクルージョンの問題を回避することが可能となり、並進移動格子により、投影格子の光学伝達関数による空間周波数劣化を時間軸で検出することが可能となることを明らかにした。本年度は提案法の原理に基づき,時間相関イメージセンサの時間相関出力を有効に活用することによりシングルフレームでの三次元計測を可能とし、リアルタイムで3次元計測結果を提示するにいたった. また,異周波数の縞を重ねることで生じるモアレパタンを同心円上に生成する手法を考案した.これにより中心と外側で異なる奥行き分解能と計測レンジをもつ三次元視覚センサの可能性を示すことができたのは重要な発見である。Depth from defocusの原理から,ある空間周波数分布をもつパターンを投影すると,デフォーカスされたパターンの振幅が空間周波数に依存して変化すること用い,時間相関イメージセンサを利用してデフォーカスと相関振幅の関係を確認した.投影パターンは空間周波数が中心で高く外側で低い円対称となる同心円パターンとし,モアレにより作成した同心円パターンによる投影実験を行った.これにより,投影した同心円中心側と外側で計測可能範囲に差をつけられることが確認できた.
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