本年度は非輻射欠陥評価系として光音響分光評価系、一定光電流分光評価系の構築およびマイクロ波プラズマCVDホモエピタキシャルダイヤモンド薄膜の作製を行った。 光音響分光評価系では微小信号検出系の構築が必要不可欠であることから容量性ハイインピーダンスセンサに適したプリアンプを設計製作し、ロックイン検出することで信号検出系の高感度化を図った。また、測定波長領域250~2100nm、波長分解能約1nm(紫外可視領域)約2.5nm(赤外領域)を有する光学系の構築を行うとともに、これら光学系・信号検出系の制御プログラムを作製し、高温高圧合成ダイヤモンド結晶の評価を行った結果、比較的良好な信号特性が得られた。しかし高温高圧合成ダイヤモンド結晶に比べホモエピタキシャルダイヤモンド膜は優れた結晶品質をもち、更なる高感度化のためには信号検出に用いる圧電素子のジョンソンノイズおよび外来ノイズ(振動、音波等)を低減する必要があることから、測定試料および圧電素子の低温・真空環境下への導入を検討している。 一定光電流分光評価系では微小電流信号の検出系の構築を行った。また、ショットキー接合を形成した試料の結晶欠陥に捕獲されたキャリアを光励起し、その際のショットキー容量変化を検出する評価系の構築を追加した。この評価法は評価深さがショットキー接合深さに限られることから、信号感度が光音響分光法等に比べ劣る可能性があるものの基板除去の必要がないという特徴があり、その検出系の検討に着手した。
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