研究概要 |
強磁性体の強磁性共鳴周波数よりも遥かに高い周波数で応答可能で,かつ,微小領域情報を検出可能な近接場光を用いた磁気情報検出手法の開発を目的とし,光照射によって発生した表面プラズモンの共鳴状態が,外部磁界によってその状態を変化させる現象-磁気表面プラズモン共鳴効果-の導出,及び,それによる磁気情報の高速検出への応用を検討した.すなわち,表面プラズモン共鳴状態の変化による光電界強度の変化検出の検討を行った.本年度は以下に示す成果が得られた. 1,FDTD法によるプラズモンアンテナシミュレーション 三角形状および,幅100nmの棒形状の局所プラズモン生成アンテナ構造において,長さを変化させて共鳴コンディションの検討を行った.本共鳴構造は,熱アシスト磁気記録の記録時に用いることが可能である.アンテナであるAuを誘電体Si_3N_4に隣接させた場合と,空気に隣接させた場合とで,共鳴に適するアンテナ長が変化することが明らかになった.このことは,局所型プラズモンにおいても共鳴が,寸法のみならず,周辺の誘電率に依存することを示しており,アンテナ構造において磁気表面プラズモン効果を利用できることを示している.また,表面プラズモン導波路構造により,プラズモンアンテナの先端部まで光を道部句構造についても検討を行った. 2.プラズモンアンテナ構造 電子線リソグラフィ手法を用い,寸法200nm-1000nmのプラズモンアンテナ作製の検討を行った.
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