研究概要 |
センサシステムの状態(センサの位置・姿勢など)を能動的に制御しながら行うセンシングをアクティブセンシング(能動計測)と呼ぶ。アクティブセンシングは,観測空間を拡大するだけでなく,多様な計測環境に柔軟に対応可能である特徴を持つ。 本年度は,実用面を考察するための実験システムとして,分散視覚・部分アクティブネットワークシステムを製作した。開発したシステムは,それぞれ複数の固定カメラ,カメラ姿勢が変更可能なアクティブビジョンシステム,小型ヘリコプタにカメラを搭載したアクティブビジョンビークルから構成される。これらをネットワーク結合する。固定カメラとアクティブビジョンシステムは,市販のウェブカムをそのまま用いた。アクティブビジョンビークルは,市販の電動模型ヘリコプタに,小型無線カメラを搭載した。無線の伝送遅れやノイズの影響を考慮した制御則を提案した。提案した制御則,アクティブビジョンビークルの予備実験として,単体での飛行実験を行う。フィードバックする環境情報は搭載する小型無線カメラの情報のみを用いる。 システム開発と並行して,理論的な観点からアクティブセンシング問題の解法のさらなる一般化もおこなった。特に,センサスケジューリング問題と能動カメラ制御問題に対する観測方程式の一般化モデルの導出については,時変の場合と,一般の場合の二種類について議論を行った。いずれの場合も,これまでの結果の自然な拡張として体系化できることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書においては,平成22年度に理論の体系化を行い,平成23年度および平成24年度において実験による検証を行う予定であった。理論の体系化については概ね完了しており,また,実験環境も平成23年度中に整備できている。
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