研究概要 |
本研究の目標である無限次元コントローラの離散化について,制御理論スプラインという手法にもとづいた「最適制御入力の離散化」の方法を模索し,これまで未解決であった高次システムに対する制約条件付きの最適離散化(離散的なパラメータによる連続時間信号の表現)のための計算手法を得ることができたこの手法は,評価関数をシステム出力誤差のサンプル値の二乗和と入力信号の二乗積分の和で定義し,出力信号の微分値に制約を設定するもので,H2最適制御に関係する。この研究にもとづけば,本研究の目的であるH∞の評価関数への拡張も可能であると考えられる.さらに,この手法にヒントを得て,最適コントローラの離散化(すなわち離散時間コントローラの導出)だけでなく,有限個のパラメータによる最適コントローラの表現も可能であると考えられる.この概念は,信号処理における圧縮センシングの考え方と通じるものがあり,その最適制御への応用という観点から,Newcastle大学のD.Quevedo氏と共同で,最適制御信号のスパース表現という研究課題に取り組み,国際会議IFAC World Congress2011に投稿し,受理された.この課題は,本研究の応用分野の一つとして研究目的に挙げたネットワーク化制御系に有効な手法である.
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