研究概要 |
平成22年度は,能動的再構成可能制御の基本アルゴリズムを構築することを目的として研究活動を遂行した.以下に得られた成果を列挙する. (1-a)下位レベル制御器の設計法構築: 時変な入力飽和を有するシステムを高性能に制御する制御器(これを下位レベル制御器と呼ぶ)の設計法を構築した.具体的には,飽和レベル依存可変ゲイン制御器を終端状態制御器として用いるdual-mode型モデル予測制御器の設計法を構築した. (1-b)上位レベル制御器の設計と下位レベル制御器との統合: アクチュエータの飽和レベルが小さい場合に,過大な目標信号が制御システムに加わると,制御量を目標信号に追従させることが出来なくなるだけでなく,制御系が不安定化する可能性が生じる.そこで,閉ループ系が不安定化しない範囲で,できるだけ元の目標信号に近い修正目標信号を算出する制御器(これを上位レベル制御器と呼ぶ)を設計し,(1-a)の制御系に付加する方法を示した. (1-c)アルゴリズムに関する理論的検討: 最終的に得られた制御アルゴリズムについて,可解性および漸近的追従性が理論的に保証されることを示した.以上の成果については,国内学会で口頭発表し,さらに,国際ジャーナルに投稿中である.
|