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2010 年度 実績報告書

コンクリート材料-構造連成応答解析の実構造物へのフルスケール展開

研究課題

研究課題/領域番号 22760327
研究機関東京大学

研究代表者

千々和 伸浩  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (80546242)

キーワードクリープ / 実構造物 / 材料構造連成解析 / 構造性能 / 劣化
研究概要

PC橋梁において設計時予測を超えたたわみが発生し、それが維持管理上の問題となっている。この原因を解明するため、精緻な構成モデルを実構造物に適用し、その長期挙動を解明、予測することを試みた。
適用に先立ち、実験室試験体の数百から数千倍のスケールとなるため、大規模計算に適した形にプラットフォームの拡張を行った。また本プラットフォームは、表層からの水分逸散などmmスケール以下の現象を対象に構築・検証されてきた材料構成モデルと、ひび割れなどcmスケールの現象を対象に構築・検証されてきた構造応答モデルとから構成されるため、これらのモデルを同じ寸法の有限要素メッシュに適用した際に、合理的な解が得られるのかを確認しておく必要があった。
検討の結果、アスペクト比を一定値以下とした条件のもとで、構造物の部位に作用される外力や環境特性に応じた適切な寸法を設定すれば合理的な解が得られるのがわかった。
以上の準備を経て、構造解析を行った所、確かに実際に計測されたたわみ推移が解析でも再現されることが分かった。
既往の設計では収縮やクリープといった材料のもつ体積変化特性を均一とみなされていた。しかし実際の橋梁では環境作用の影響は、表面からの距離と時間に依存したものであり、不意均一であって、これを精緻に反映したことが本解析プラットフォームによってたわみ推移が再現できた要因であった。
本解析プラットフォームを用い、さらに様々な検討を行った所、たわみとは上フランジと下フランジとの体積変形量の違いに起因するものであり、例えば温湿度、季節変動、絶対寸法等により影響を受けるものであることが分かった。
この結果は上下フランジ間で体積変形量の差を小さくする、あるいは人為的操作により体積変形量を操作することで、力学的操作を伴わずともたわみを回復させ得ることを示唆しており、解析における検討においても同様の事象が確認された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] コンクリートの微細空隙中の水分とPC橋の長期変位2011

    • 著者名/発表者名
      千々和伸浩, 石田哲也, 前川宏一
    • 雑誌名

      橋梁と基礎

      巻: 45(1) ページ: 38-41

  • [雑誌論文] Long-term deformational simulation of PC bridges based on the thermohygro model of micro-pores in cementitious composites2011

    • 著者名/発表者名
      Koichi Maekawa, Nobuhiro Chijiwa, Tetsuya Ishida
    • 雑誌名

      Cement and Conrete Reserch

      巻: 41(12) ページ: 1310-1319

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セメント硬化体中の微視的機構モデルに基づく実PC橋の長期時間依存変形シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      千々和伸浩, 杉田恵, 石田哲也, 前川宏一
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: V ol.32 ページ: 407-412

  • [学会発表] セメント硬化体中の微視的機構モデルに基づく実PC橋の長期時間依存変形シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      杉田恵, 千々和伸浩, 前川宏一
    • 学会等名
      土木学会第65回年次学術講演会
    • 発表場所
      札幌北海道大学
    • 年月日
      2010-09-01
  • [学会発表] セメント硬化体中の微視的機構モデルに基づく実PC橋の長期時間依存変形シミュレーション2010

    • 著者名/発表者名
      千々和伸浩, 杉田恵, 石田哲也, 前川宏一
    • 学会等名
      第32回コンクリート年次大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      2010-07-01
  • [学会発表] Simulation of long-term time-dependent mechanics of an existing PC bridge by full-3D multi-scale2010

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Chijiwa, Kei Sugita, Tetsuya Ishida, Koichi Maekawa
    • 学会等名
      CONMOD 2010
    • 発表場所
      Lausanne, Swiss, L'Aula des Cedres
    • 年月日
      2010-06-23
  • [学会発表] Simulation of long-term time-dependent mechanics of an existing PC bridee by full-3D multi-scale integrated FE analysis2010

    • 著者名/発表者名
      Kei Sugita, Nobuhiro Chijiwa, Koichi Maekawa
    • 学会等名
      SSMS
    • 発表場所
      高知旭ロイヤルホテル
    • 年月日
      2010-03-05

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公開日: 2013-06-26  

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