研究概要 |
平成23年度は,前年度に引き続き,透水性舗装模型に対する繰り返し平板載荷試験を実施し,路床材および浸水条件による透水性舗装め変形特性の差異を把握した.特に,粘性土路床の場合について実験ケースを追加し,前年度に明らかとなった模型の変形特性の再現性を確認した.舗装各層材料の力学特性を把握するための材料試験として,路床材に対しては,CBR試験と三軸圧縮試験を実施し,締固め条件や飽和度が強度特性や変形特性に及ぼす影響を把握した.締固め後の飽和度の変化が強度・変形特性に及ぼす影響は土質によって大きく異なり,その影響度合いは材料の保水特性,すなわち体積含水率とマトリックポテンシャルの関係と密接な関係があることを明らかにし一た.保水性の高い材料では飽和度の変化によって強度は大きく変化するのに対し,保水性の低い材料は浸水による強度の低下は小さいという結果を得た.アスファルト混合物層については,舗装模型から直径100mmのコア試料を複数サンプリングし,異なる温度条件下においてレジリエントモジュラス試験を実施した.繰り返し平板載荷試験前後のコア試料でレジリエントモジュラス試験を実施した結果によれば,両者に大きな差は生じなかったことから,模型実験において表れた変形特性の差異は,路盤あるいは路床の変形特性に起因するものであると推察される.数値解析的検討としては,目標としていた模型実験結果を表現しうる数値解析手法の確立には至らなかったものの,弾塑性解析によって繰返し載荷に伴う路床の変形と応力分布について検討を行った.
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