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2011 年度 実績報告書

断面損傷を有する鋼製部材のねじりを考慮した2方向動的挙動と耐震照査に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22760345
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

永田 和寿  名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (40301238)

キーワード鋼製部材 / 腐食 / 断面損傷 / 水平2方向挙動 / ねじり / 耐荷力
研究概要

本年度は前年度行われた実験結果の妥当性を確認し,また実験結果を補完する目的で,載荷実験で使用した供試体を対象として解析を行った.数値解析には局部座屈を精度良く表現できるようにシェル要素を用いた汎用有限要素解析コードABAQUSによる弾塑性有限変位解析を実施した.
健全なモデルと腐食損傷を有するモデルの実験結果と解析結果は概ね挙動が一致しており,載荷実験ならびに数値解析の妥当性が確認した.実験結果と同様であるが,2δyの3サイクル目で最大荷重を迎え,3δyの4サイクル目で耐荷力が低下していることがわかった.耐荷力の低下は腐食損傷を有するモデルで顕著であることがわかった.座屈損傷の形態は載荷実験と同様であり,健全なモデルでは板パネルの座屈損傷が支配的であるのに対し,腐食損傷を有するモデルでは板パネルの座屈損傷に加え,腐食損傷部である角部にも座屈が生じていた.
数値解析の妥当性を確認したため,ねじりと腐食形態に着目したパラメトリック解析を行った.その結果,ねじりその影響は大きくないことが明らかとなったが,ねじりと腐食損傷の程度によっては大きく耐荷性能を低下させる場合もあり,注意が必要である.腐食幅と腐食深さが大きくなるにつれて耐荷力は低下するが,腐食幅が耐荷力に与える影響が大きく,また同程度の腐食であってもその形状により耐荷性能は異なるため注意が必要であることが明らかとなった.
腐食により劣化した構造物が,大規模な地震時に大きな損傷を受ける恐れがあり,適切な維持管理を行う必要があると思われる.本研究では限られた実験・解析ケースで検討を行い,角部に腐食損傷を有する矩形鋼製橋脚の挙動・耐荷性能について考察を行ったが,今後は実際に近い荷重状態,耐震性能の異なる種々の橋脚に対して様々な腐食形態を考慮した検討を行う必要がある.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 角部に腐食損傷を有する矩形鋼製橋脚の水平2方向挙動に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      永田和寿, 加藤慶太朗, 杉浦邦征, 橋本国太郎, 北原武嗣
    • 雑誌名

      構造工学論文集

      巻: Vol.58A ページ: 299-309

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 腐食損傷を有する鋼製橋脚の水平2方向挙動に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      加藤慶太朗, 永田和寿, 杉浦邦征, 橋本国太郎, 北原武嗣
    • 雑誌名

      鋼構造年次論文報告集

      巻: 19巻 ページ: 281-288

    • 査読あり
  • [学会発表] Behavior of rectangular steel bridge piers with corrosion damages in the corners subjected to 2 dimensional horizontal loading2012

    • 著者名/発表者名
      Kazutoshi NAGATA, Keitarou KATO, Kunitomo SUGIURA, Kunitaro HASHIMOTO, Takeshi KITAHARA
    • 学会等名
      The International Workshop on Advances in Seismic Experiments and Computations (ASEC2012)
    • 発表場所
      Aichi
    • 年月日
      2012-03-13
  • [学会発表] 腐食損傷を有する矩形鋼製橋脚の水平2方向挙動に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      大竹輝,永田和寿,加藤慶太朗
    • 学会等名
      平成23年度土木学会中部支部研究発表会
    • 発表場所
      長野県
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 腐食損傷を有する鋼製橋脚の水平2方向挙動に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      加藤慶太朗,永田和寿,杉浦邦征,橋本国太郎,北原武嗣
    • 学会等名
      第19回鋼構造シンポジウム
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2011-11-17
  • [学会発表] 腐食損傷を有した鋼製橋脚のねじりを考慮した水平2方向挙動に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      加藤慶太朗,永田和寿,杉浦邦征,橋本国太郎
    • 学会等名
      土木学会第66回年次学術講演会
    • 発表場所
      愛媛県
    • 年月日
      2011-09-07

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公開日: 2013-06-26  

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