研究課題
化学-熱-力学連成解析手法を用いて室内実験をシミュレーションし、解析手法について検証した。解析に用いた有限要素メッシュについては実験条件と同様に円柱モデルとし、3次元解析コードを用いて減圧法による分解時のシミュレーションを行った。その結果、分解速度、温度変化および沈下量について、実験結果を定性的、定量的に再現可能であることが明らかとなった。また、解析に用いる材料定数について検討したところ、分解速度係数についてはその値が大きいほど、数値的に不安定となることが明らかとなった。そこで、長期的な分解時の挙動を評価するため、分解速度係数を実験値の10分の1とすると、安定な数値解が得られた。さらに、開発した化学-熱-力学連成解析手法を用いて、海底地盤を想定したガス生産時の分解シミュレーションを実施し、分解時の地盤変形挙動の予測を行った。特に分解に伴い地すべりが生じる可能性について、解析的に検討した。大規模な海底地盤をモデル化して地すべり予測を行うため、通常の飽和土の水-土連成解析と比較すると、未知数として各節点のガス圧、温度が加わる。また、大変形を取り扱うため、updated Lagrangian法を用いた有限変形理論に基いて定式化しており、変位については平面ひずみモデルで8節点アイソパラメトリック要素を用いている。実際の開発状況に近い条件で分解時の変形予測シミュレーションを行うため、生産井や海底面の傾斜を考慮した解析を行った。その結果、分解がほぼ収束した後も変形が継続し、地表面近くで大きな変形を生じる可能性があることが明らかとなった。
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Proc.of 9th International Workshop on Bifurcation and Degradation in Geomaterials
巻: 1 ページ: 85-92
The 14th Asian Regional Conference on Soil Mechanics and Geotechnical Engineering
巻: (CD-ROM) ページ: 論文番号TC103-5
Proceeding of 4th International Conference GeoProc2011
巻: (CD-ROM) ページ: 論文番号GP060