全球水文モデルのネスティングによる洪水流出氾濫一体シミュレーション

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22760379
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 水工学
• 研究機関: 独立行政法人土木研究所
• 研究代表者: 佐山 敬洋 独立行政法人土木研究所, リスクマネジメント国際センター, 研究員,連携准教授 (70402930)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2011
• キーワード: 洪水災害 / 水文モデル / 降雨流出 / 洪水氾濫 / チャオプラヤ川 / インダス川

研究概要

地球上の任意の流域で河川流量と洪水氾濫とを一体的かつ簡易に予測する技術を開発した。開発モデルは降雨流出氾濫モデル(RRI Model)と呼び、研究期間中に世界の大規模洪水を対象にして多くの実証研究を行った。とくに2011年タイ・チャオプラヤ川洪水においては、洪水がピークを向かえる以前から緊急対応のシミュレーションを実施し、下流部の洪水が長期化するという予測結果を公表した。洪水収束後の現地調査の結果、概ね予測結果が妥当であったこと、蒸発散等の影響を考慮することでさらに河川流量や浸水深の計算精度が向上することが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] インダス川全流域を対象とした2010年パキスタン洪水の降雨流出氾濫解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐山敬洋・藤岡奨・牛山朋來・建部祐哉・深見和彦
  • 雑誌名: 土木学会論文集B1(水工学) 巻: Vol.68, No.4 ページ: I_493-I_498
  • URL: http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201202298931810720
• [雑誌論文] Rainfall-Runoff-Inundation Analysis of Pakistan Flood 2010 at the Kabul River Basin (2012)
  • 著者名/発表者名: Takahiro Sayama, Go Ozawa, Takahiro Kawakami, Seishi Nabesaka, Kazuhiko Fukami
  • 雑誌名: Hydrological Sciences Journal 巻: 57(2) ページ: 298-312
  • DOI: DOI:10.1080/02626667.2011.644245
• [雑誌論文] 降雨流出氾濫モデルによるサイクロンナルギス高潮氾濫シミュレーション (2011)
  • 著者名/発表者名: 佐山敬洋・Nay Myo Lin・深見和彦・田中茂信・竹内邦良
  • 雑誌名: 水工学論文集 巻: 第55巻 ページ: S529-534
  • URL: http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201102261294543609
• [学会発表] Rainfall-Runoff-Inundation Analysis in the Indus River Basin (2011)
  • 著者名/発表者名: Takahiro Sayama, Susumu Fujioka, Tomoki Ushiyama, Yuuya Tatebe, Kazuhiko Fukami, Large Scale
  • 学会等名: 5th International Conference on Flood Management(ICFM5)
  • 発表場所: Tokyo
  • 年月日: 2011-09-28
• [学会発表] Analysis of Hazard andDamage of Pakistan Flood 2010 withRainfall-Runoff-Inundation Model (2011)
  • 著者名/発表者名: Takahiro Sayama, Kazuhiko Fukami, Shigenobu Tanaka and Kuniyoshi Takeuchi
  • 学会等名: IUGG General Assembly(IAHS)
  • 発表場所: Melbourne, Australia
  • 年月日: 2011-07-04
• [学会発表] Rainfall-Runoff-Inundation Analysis for Flood Risk Assessment at the Regional Scale (2010)
  • 著者名/発表者名: Takahiro Sayama
  • 学会等名: 5^<th> Conference of Asian Pacific Hydrology and Water Resources(APHW)
  • 発表場所: Hanoi, Viet Nam
  • 年月日: 2010-11-09
• [備考] (1)報道発表:タイにおける洪水の状況について、国土交通省河川計画課、土木研究所ICHARM
  • URL: http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000417.html
• [備考] (2)ホームページ:タイ・チャオプラヤ川の洪水について
  • URL: http://www.icharm.pwri.go.jp/news/news_j/111024_thai_flood_j.html
• [備考] (3)報道:チャオプラヤ川流域の氾濫予測結果(NHKをはじめとする11のマスメディアで紹介)
• [備考] (4)佐山敬洋:世界の大規模洪水を監視・予測する先端技術,河川文化を語る会「アジア太平洋地域の災害を語る」,日本河川協会,愛媛大学南加記念ホール, 2012.3.9.
• [備考] (5)佐山敬洋:タイ・チャオプラヤ川流域における2011年大規模洪水の実態,セッション:激甚化する降雨災害にどう向き合うか,土木学会主催東日本大震災シンポジウム,東京大学, 2012.3.6.