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2010 年度 実績報告書

社会的ネットワークのゲーム理論分析:協働型地域社会の実現に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 22760380
研究機関神戸大学

研究代表者

織田澤 利守  神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30374987)

キーワード社会的ネットワーク / ゲーム理論 / 協働型地域社会
研究概要

本研究の目的は,ネットワーク・ゲーム理論の枠組みに基づき,社会的ネットワークの形成と人々の間の協調関係の構築について,そのメカニズムを理論的に解明することである.今年度は,社会的ネットワーク上においてリンクで結ばれた主体どうしが協調ゲームを行う状況を想定し,ネットワークの構造が協調関係の形成に与える影響について分析をおこなった.その際,ネットワークの位相幾何学的特性として,スケールフリー性とスモールワールド性に着目した.具体的には,Scale Free (SF)ネットワーク,Erdos-Renyiネットワーク,Watts and Strogatz (WS)ネットワークを取り上げ,ネットワークの構造が協調形成に与える影響について分析を行った,さらに,次数,平均距離,近接性,クラスター性といったネットワーク指標と協調形成の関係についても分析を行った.分析の結果,次の命題を得た.
命題1.すべてのネットワークにおいて,リスク支配的な行動が選択される確率が高い.
命題2.リスク支配的な行動がない場合,協調行動を選択する割合はいずれのネットワークも0.5で等しい.また,割合の分散は,近接性が高く,クラスター性が高い程小さい.
命題3.SFネットワークでは,非協調行動が選択される確率が他のネットワークと比較して高い
命題4.WSネットワークでは,平均距離が短い程,協調行動が選択される確率が高い.
以上より,協調行動の自律安定的な存続において,中心性の高い主体の存在は必ずしも良い効果をもたらすとは限らないこと,また,各主体が開かれた交友関係を持つことが重要であることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 都市集積・分散ダイナミクスと確率的均衡2010

    • 著者名/発表者名
      織田澤利守,西山秀紀
    • 雑誌名

      土木計画学研究・論文集

      巻: Vol.27,No.1 ページ: 121-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 社会的ネットワークにおける協調形成に関するゲーム理論分析:ネットワーク・トポロジーに着目して2010

    • 著者名/発表者名
      織田澤利守・八木亮輔・川松祐太
    • 雑誌名

      土木計画学研究・講演集

      巻: Vol.42,No.14(CDROM)

  • [雑誌論文] 土壌汚染による塩漬け土地問題の発生メカニズムと抑制政策2010

    • 著者名/発表者名
      織田澤利守・中谷雄一郎・保高徹生
    • 雑誌名

      土木計画学研究・講演集

      巻: Vol.42,No.124(CDROM)

  • [学会発表] Why Do Developers Prefer Cleanup for Contaminated Sites Remediation?-Applying Real Option Analysis to the Brownfields Problem-2010

    • 著者名/発表者名
      Toshimori OTAZAWA, Tetsuo YASUTAKA
    • 学会等名
      Anglo-Japan Symposium on Brownfield Regeneration 2010
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] ブラウンフィールドの発生メカニズムと抑制政策2010

    • 著者名/発表者名
      織田澤利守・中谷雄一郎・保高徹生
    • 学会等名
      第16回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集
    • 発表場所
      仙台市民会館(宮城県)
    • 年月日
      2010-06-18

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公開日: 2012-07-19  

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