研究概要 |
本研究は,写真測量(ステレオ観測),地形図,干渉SAR,航空機レーザー測量といった互いに補完的な性質を有する技術を複合的に利用することにより,数値表面モデル(DSM)と数値地形モデル(DTM)とを厳密に区別し,全球の数値標高モデル(DEM)を体系的に整備することを目的とする.3年間という短い実施期間を考慮し,次の3点に焦点を絞り技術開発を行う.1)補完的な役割を果たす衛星ステレオ観測と干渉合成開口レーダーの長所を最大限に生かしDSMからDTMを作成するアルゴリズムを開発する,2)植生に対して高い貫通力を持つLバンドを搭載する世界で唯一の日本の衛星ALOS PALSARの干渉合成開口レーダーを活用する,3)公共的利益に資する科学技術分野への利用に資するために全球データセットを体系的に整備して国際的な流通を目指す.本研究は,a)地形図を参考にしたASTER GDEMとSRTM3の空間分特性解析,b)土地被覆分類図と人口分布図を参考にしたDSMからDTM作成アルゴリズムの開発,c)Lバンド干渉合成開口レーダーと衛星・航空機レーザー測量を用いた妥当性の検討の3つに分けられる.次に示すように,およそ半年間を目安に各要素技術の開発を進めた. [平成22年度前半の半年間:空間分布特性解析] 日本の国土地理院と米国の地質調査所から得られる地形図を元に,ASTER GDEMとSRTM3からDSMとDTMを区分するための空間分布特性解析を行った. [平成22年度後半の半年間:DTM作成アルゴリズムの開発] 全球土地被覆分類図と人口分布図から得られた情報を元に,DEMからDTMを作成するアルゴリズムを開発した.
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