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2011 年度 実績報告書

空間的応用一般均衡モデルにおける交通サービス生産と交通行動のモデル化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22760387
研究機関山梨大学

研究代表者

武藤 慎一  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (90313907)

キーワード交通工学・国土計画 / 費用便益分析 / SCGEモデル
研究概要

本研究の目的は,地域間高規格道路整備の便益計測に有効とされている空間的応用一般均衡(SCGE)モデルにおいて,交通サービス生産と交通行動に関するモデルを精緻化することにより,SCGEモデルによる便益評価の精度向上を図ることである.
前年度までに,1.Barro型CES関数を用いたSCGEモデルの構築,2.簡単な数値計算の実行,3.便益帰着分析,政府・投資部門の便益評価の検討を行った.1ではBarro型CES関数を用いて,交通サービス生産及び交通行動モデルを明示的に考慮したSCGEモデルの構築を行った.さらに,2では新東名高速道路を対象とした実証的な数値計算の試算を行った.そこでは,平成24年4月14日に開通する御殿場-三ヶ日間および全線開通した際の便益評価を行った.3においては,2の結果を踏まえて,便益がどの地域のどの主体に帰着するのかを明らかとするための便益帰着分析を実施し,それらを便益帰着構成表としてとりまとめた.ただし,その際,政府および投資部門の便益について検討が不十分であることが明らかとなり,その点を検討する必要のあることが明らかとなった.
以上の分析を通じて,交通利用における便益だけでなく,交通サービス生産において発現する便益も明示的に捉えられ,便益計測の精度を向上させることができた.今後は,以上の成果を対外的に公表していくとともに,政府および投資部門の便益計測について,実証的な数値計算を行い,さらにモデルの動学化の検討,有効な公共投資評価指標の検討を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

前年度までに,SCGEモデルの構築およびその実証分析への適用まで進められた.実際に,モデルを適用した際に生じた課題等への取組が必要ではあるが,実証分析へのモデルの適用まで行えた点で,当初計画以上に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

今年度は,研究成果のとりまとめに向け,前年度までの研究成果を積極的に対外発表していくとともに,1.政府・投資部門の便益計測方法の検討,2.モデルの動学化の検討について研究を進める予定である.これらについては,前年度までに理論的な整理等が行えており,今年度はそれらの数値計算による確認等を行う予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大規模幹線道路のSCGEモデルによる整備効果の計測と便益帰着構成表による整理-東海環状自動車道を例として-2012

    • 著者名/発表者名
      青木優, 武藤慎一, 桐越信, 森杉壽芳
    • 雑誌名

      高速道路と自動車

      巻: Vo.55, No.3 ページ: 27-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unified computable urban economic model2012

    • 著者名/発表者名
      T.Ueda, M.Tsutsumi, S.Muto, K.Yamasaki
    • 雑誌名

      The annals of regional science

      巻: (掲載決定)

    • DOI

      DOI10.1007/s00168-012-0499-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 山梨を対象とした交通整備・経済活性化策評価のための応用一般均衡モデルの開発2012

    • 著者名/発表者名
      安藤倫規, 武藤慎一
    • 雑誌名

      土木学会第39回関東支部技術研究発表会論文集

      巻: Vol.39 ページ: IV-59

  • [雑誌論文] 公益的価値を考慮した農山村活性化策の経済評価2011

    • 著者名/発表者名
      武藤慎一, 川島美樹
    • 雑誌名

      土木学会論文集G(環境)

      巻: Vol.67,No.6 ページ: II_163-II_172

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 47都道府県Multi-Regional CGEによるGHG排出削減政策の評価2011

    • 著者名/発表者名
      林山泰久, 阿部雅浩, 武藤慎一
    • 雑誌名

      応用地域学研究

      巻: No.16 ページ: 67-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大規模災害に伴う間接被害計測のための応用一般均衡モデルの開発2011

    • 著者名/発表者名
      武藤慎一, 林健太郎
    • 雑誌名

      土木計画学研究・講演集

      巻: Vol.44 ページ: No.177

  • [学会発表] 公共会議場整備評価のための応用一般均衡モデルの開発2011

    • 著者名/発表者名
      武藤慎一
    • 学会等名
      土木計画学研究・講演集,Vol.44
    • 発表場所
      岐阜大学工学部
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] 再生可能エネルギー部門を考慮した応用一般均衡モデルによる環境政策評価2011

    • 著者名/発表者名
      武藤慎一
    • 学会等名
      土木計画学研究・講演集,Vol.43
    • 発表場所
      筑波大学第三エリア
    • 年月日
      2011-05-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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