本研究は亜熱帯島嶼観光地域であり、水資源に乏しい地域として沖縄島を対象とし、生活者参加型の水資源・水供給計画ならびに渇水リスクマネジメントを1つの計画システムとして提示することを目的としている。このため、観光地域の水需要予測、気候変動による降水特性の変化を考慮した渇水リスク評価、ハードとソフトによるリスク軽減のための計画代替案の作成とその効果の評価、地域での実行可能性分析(費用負担・節水への協力行動)を行う。そして、島嶼社会システムにおける環境容量という概念の下で、地域活動の適正化に関する計画論を展開する。このために今年度は以下のことを行った。 1.渇水リスクマネジメントに関する計画代替案の作成とその評価: 雨水タンク設置や節水機器の普及による水道水使用量の減少量の明確化を行った。さらに、雨水タンクの公共施設等での使用状況とその効果、中水道利用による効果、海水淡水化施設に関する費用等、既往研究や既存施設資料等のレビューにより計画代替案の作成を行うとともに、これらの代替案およびその組み合わせに対してリスク軽減効果を明らかにした。 2.渇水リスク軽減に関するアンケート調査の実施:昔は多く設置されていた雨水タンクであるが、その利用状況は減少している。また、井戸水の利用はほとんどなくなっている。給水制限の可能性については多くの方がそのことを認識しなくなってきていることが示された。
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