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2011 年度 実績報告書

東京都内地下水中のNニトロソジメチルアミンおよびその生成能の実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22760406
研究機関東京大学

研究代表者

村上 道夫  東京大学, 総括プロジェクト機構(水の知), 特任講師 (50509932)

キーワード土木環境システム / 環境分析 / 新規汚染物質
研究概要

N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)は消毒工程で生成される微量汚染物質である。表流水や水道水におけるNDMAの報告例がある一方、国内における地下水中の実態については不明な点が多い。また、国内外を問わず、地下水中NDMA前駆物質を広域で調査した例はない。本研究では、これまでに、東京近郊の地下水および河川水中NDMAとその生成能を調査し、地下水と河川水中のNDMA濃度が同程度だった一方、地下水中のNDMA前駆物質濃度は河川水よりも顕著に低いことを明らかにしてきた。そこで、地下水浸透過程でのNDMAおよびその前駆物質の挙動を解明するために、地下水および河川水中のNDMA前駆物質の特性評価や土壌への吸脱着や微生物分解性について解析した。
河川水中のNDMA前駆物質の49-57%が0.5kDa以下の画分に、24-43%が0.5-3kDaの画分存在した一方、地下水中のNDMA前駆物質は主に0.5kDa以下の画分に存在する試料も、0.5-3kDaの画分に存在する試料もあった。いずれもその大部分(70%以上)が3kDaの画分に存在しており、NDMA前駆物質は比較的低分子であることが明らかとなった。下水の影響を受けた河川試料を対象に、前駆物質の一つとして知られるジメチルアミンによるNDMA生成能の寄与率を調べたところ、3.9-8.4%であり、その他の前駆物質の寄与が高いことが明らかとなった。
次に、NDMA、N-ニトロソモルホリン(NMor)およびそれらの前駆物質の土壌への吸着性や微生物分解性を調査した。ND撚は土壌への吸着性が低い一方で微生物分解されやすいのに対し、NMorは微生物分解性も土壌への吸着性も低く、土壌浸透過程で安定な性質を持つことが示唆された。また、NMorは土壌から溶出されることも観察された。NDMA前駆物質の一部は難吸着性・難微生物分解性を示すものもあったが、大部分は土壌によって吸着されるか微生物分解され、土壌浸透によってNDMA前駆物質濃度が低下することが示唆された。河川水よりも地下水中でNDMA前駆物質濃度が低かった理由として、土壌による吸着や微生物分解が生じていると推察された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Occurrence and formation potential of N-nitrosodimethylamine in groundwater and rivers in metropolitan Tokyo2011

    • 著者名/発表者名
      Michio Murakami, Nguyen Van Huy, Hiroshi Sakai, Kumiko Oguma, Koji Kosaka, Mari Asami, Satoshi Takizawa
    • 学会等名
      Micropol & Ecohazard 2011
    • 発表場所
      Sudney, Australia(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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