研究課題
本研究は、近年多くの研究者、企業が開発に取り組んでいる「接着剤と棒状接合具を併用した木質構造接合法」とその類似の接合法において、これらの接合法の研究を整理した上で、樹種の違いによる強度や剛性の差異、使用する接合具の種類や径、使用する接着剤の強度特性の把握、縁距離や接合具間隔による強度性能への影響など、共通する問題について、体系的な実験を行い、データを蓄積・整理する。あわせて、有限要素法解析など解析的手法でのアプローチとの整合性を検討することにより、これらの設計規準値を提案する。また、各実験データと既存の接合部性能評価方法との適合性について再検討を行うことで、GIR系接合法のような接着剤依存型の接合法の性能評価方法及び設計用特性値の取り方について検討し、提案を行いたい。併せてGIR系接合法の基準試験方法などを検討・提案し、今後の当該接合技術の研究・開発の効率化をめざすものである。本年度は特に以下の項目について、検討を行った。(1)有限要素法を用いた解析的考察本接合形式のように接着層の挙動に大きく影響を受ける接合部について、接着層の物性を解析上どのように定義するかを主な検討課題として、解析的な検討を行った。(2)接着層の物性評価に関する実験使用する接着剤の物性を適切に評価するための、簡易な試験方法を検討し、提案するとともに、その妥当性を検証した。(3)繊維直行方向加力による横引張割裂に関する耐力推定式の検討前年度に課題とされたGIRによる繊維直行引張力によって割裂破壊する場合の耐力推定式について提案し、その妥当性を検証した。
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構造工学論文集
巻: Vol.58B ページ: 265-270
Proceedings of the Sixth Joint Seminar 2011 of China-Korea-Japan on Wood Quality and Utilization of Domestic Species
ページ: 141-142
ページ: 145-146