研究概要 |
エコセメント,再生骨材,フライアッシュなどのリサイクル材料を用いたコンクリートの高強度領域における塩化物量及び,普通強度領域,高強度領域における力学性状を実験により確認した.また,コンクリートのマイクロクラックを観察することにより,再生骨材コンクリートの破壊特性についても考察をした.さらに,フライアッシュの外割混合によるASR抑制の要因がポゾラン反応によるものと微粉末を混合することによるペーストの緻密化によるものとがどの程度影響しているのかを把握することを目的とし,フライアッシュとポゾラン活性を有しない石灰石微粉末をそれぞれ外割混合させた供試体のASRによる膨張性の測定を行った. その結果,次の知見を得た.高強度領域におけるエコセメントコンクリートのフレッシュ時の水の塩化物イオンは,基準値である0.30kg/m3を超える量を含んでいることが確認された.力学性状においては再生材料を用いたリサイタルコンクリートにおいても,フライアッシュを外割混合することで普通ポルトランドセメントを用いた普通コンクリートと同等もしくはそれ以上の圧縮強度発現を示すことが確認でき,さらには塩化物イオン量を基準値以下に抑えられる可能性が示された.圧縮強度増進率においてもリサイクルコンクリートは普通コンクリートと同程度の増進率を示し,再生骨材を用いたコンクリートにおけるフライアッシュの有効性が示された.また,高強度領域における再生骨材コンクリートは,再生粗骨材へのマイクロクラックが顕著に多く,粗骨材品質の影響を大きく受けていることが確認でき,普通強度領域における再生骨材コンクリートでは,再生細骨材使用によるモルタル部分の品質低下を大きく受けやすいことが確認できた.さらに,ポゾラン活性を有しない石灰石微粉末を混合することでもASRに対する抑制効果を確認することができたが,ポゾラン活性を有するFAの方がASR抑制に対して有効的であった.
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