• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

簡易透気試験による構造体コンクリートのスケーリング抵抗性推定及び劣化予測

研究課題

研究課題/領域番号 22760428
研究機関仙台高等専門学校

研究代表者

権代 由範  仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 助教 (00553520)

キーワード構造材料 / コンクリート / 透過性 / 耐凍害性 / スケーリング / 劣化予測 / 維持管理
研究概要

本研究は,コンクリート構造物の耐凍害性(コンクリート表層部におけるスケーリング抵抗性)の評価手法として,コンクリートの透過性(透気性)を指標とする新たな手法を提案しようとするものである。昨年度は,測定対象部材の寸法や形状が透気性指標値に及ぼす影響を明らかにし,本研究で検討する原位置透気試験の測定条件を決定するとともに,透気性指標値に及ぼす表面水分率の影響や空気量の影響についても実験的に検討を加え,それぞれの相関性や影響の程度を明らかにしている。
今年度は,前年度の検討により決定した透気試験法の測定条件を踏襲した実験を行い,透気試験に及ぼす表面水分率の影響やミクロ的視点から見た気泡特性と透気性指標値の関係について,範囲を拡大し検討を行った。その結果,表面水分率を4.5%以上とした場合においても,表面水分率の増加により透気性指標値が低下する傾向は認められるものの,両者の間に明確な相関性は認められず,このことから,コンクリートの表層透気性は,表面水分率のみならずコンクリート内部の含水状態の影響も受ける可能性を指摘した。また,コンクリートの耐凍害性と強度の相関を持つ気泡特性(気泡間隔係数)については,本試験により得られる透気性指標値とおおむね対応することが認められた。さらに,透気試験を実施した供試体を対象に,スケーリング抵抗性試験(ASTMC672(室内試験))を実施した結果,本研究で検討する透気性指標値はASTM C672により得られるスケーリング量と比較的良い相関性を示すことを明らかとし,スケーリング抵抗性の評価指標として適用性を示した。しかし,本方法をスケーリング抵抗性の評価手法として提案するにあたり,性能評価区分等を示すことが重要と考えるが,評価結果の再現性や信頼性を確認し,スケーリング抵抗性を保証する具体的な透気性指標値を示すためには,さらに多くのデータ収集・蓄積が必須となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 吸引鐘を用いたコンクリートの簡易透気試験法に関する基礎的検討とスケーリング抵抗性評価への適用の試み2012

    • 著者名/発表者名
      権代由範
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 第77巻第678号(掲載決定済)

    • 査読あり
  • [学会発表] コンクリートの表層透気性に及ぼす表面含水率および空気量の影響に関する一考察2012

    • 著者名/発表者名
      権代由範
    • 学会等名
      建築学会東北支部研究報告会
    • 発表場所
      八戸工業大学
    • 年月日
      2012-06-16
  • [学会発表] コンクリート表層部脆弱層の形成に関する研究-断面厚さおよび水セメント比による検討-2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤陽貴
    • 学会等名
      建築学会東北支部研究報告会
    • 発表場所
      八戸工業大学
    • 年月日
      2012-06-16
  • [学会発表] コンクリートの表層透気性に及ぼす空気量および表面水分率の影響2012

    • 著者名/発表者名
      庄司等
    • 学会等名
      第17回高専シンポジウム講演要旨集
    • 発表場所
      熊本市国際交流会館
    • 年月日
      2012-01-28
  • [学会発表] コンクリート表層部に生じる脆弱層に関する基礎的研究2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤茂弥
    • 学会等名
      第17回高専シンポジウム講演要旨集
    • 発表場所
      熊本市国際交流会館
    • 年月日
      2012-01-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi