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2010 年度 実績報告書

建築土木構造物の外壁全面検査を可能にする遠赤外線投光赤外線サーモグラフィ法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22760432
研究機関防衛大学校

研究代表者

小笠原 永久  防衛大学校, システム工学群, 准教授 (60262408)

キーワード非破壊検査 / 赤外線サーモグラフィ / アクティブ法 / 分光放射特性 / 遠赤外線
研究概要

橋梁下面や密集地域のビル外壁など日射が当たらないコンクリート構造物外壁の非破壊検査を行うため,アクティブ赤外線サーモグラフィ法の確立を目指した.平成22年度は,1.コンクリートの分光放射特性の評価,2.数値シミュレーションによる検査条件の決定,3.最適な投光器の調査と選定を行った.
1.コンクリートの分光放射特性の評価ビルの外壁に用いられているコンクリートサンプルを入手し,FTIR装置を用いて,分光放射率を測定した.サンプルは500℃まで加熱し,波長域1.5~15μmの範囲のデータを測定した.70℃での測定も行い,分光放射率に対する温度の影響が少ないことを確認している.コンクリートは,近赤外域では0.6程度,遠赤外域では0.9程度の放射率を有し,遠赤外線を多く吸収することが分かった.
2.数値シミュレーションによる検査条件の決定既存の有限要素法プログラムANSYSを用いて,コンクリート構造物に赤外線サーモグラフィ法を適用する際に必要な熱量の調査を行った.赤外線サーモグラフィ装置の検出感度と試験環境を考慮し1℃以上の温度差が必要と仮定すると,深さ15mmの位置にある半径20mmの空洞に対しては7.5kW/m^2の放射能力のあるヒータで30秒間の加熱が必要であることが分かった.またPulse Phase Thermography法のプログラムを作成し,温度差ではなく位相差に着目することで,加熱温度ムラの検知への影響がなくなることを示した.
3.最適な投光器の調査と選定エクセル表計算を利用した数値計算により,コンクリートを効果的に加熱するためには,遠赤外型ヒータ>黒体型ヒータ>近赤外型ヒータの順に適していることを示した.ハロゲンランプの一部に黒体塗料を塗布し黒体型ヒータとすることで,黒体型ヒータが近赤外型ヒータより効果的にコンクリートを温めることを実験で確認した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Nondestructive Inspection of Local Thinning by Infrared Thermography with Stainless Steel Film Heater2010

    • 著者名/発表者名
      N. Ogasawara, M. Ito, N. Chiba
    • 雑誌名

      Journal of the Japanese Society for Experimental Mechanics

      巻: 10 ページ: 129-134

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nondestructive inspection of local thinning by infrared thermography with SUS film heater2010

    • 著者名/発表者名
      N.Ogasawara
    • 雑誌名

      Proc.of 4th International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics

      ページ: 1-6

  • [学会発表] 薄膜加熱赤外線サーモグラフィ法による鋼材減肉欠陥の同定2011

    • 著者名/発表者名
      小笠原永久
    • 学会等名
      日本赤外線学会 第8回赤外放射応用関連学会年会
    • 発表場所
      島津製作所(東京都)
    • 年月日
      2011-02-10
  • [学会発表] 赤外線サーモグラフィ法における対象表面の熱吸収特性を考慮した加熱装置の検討2010

    • 著者名/発表者名
      安藤輝(小笠原永久)
    • 学会等名
      日本非破壊検査協会 平成22年度秋季講演大会
    • 発表場所
      市町村自治会館(沖縄県)
    • 年月日
      2010-10-27
  • [学会発表] コンクリート構造物のアクティブ赤外線サーモグラフィ法に適した加熱条件2010

    • 著者名/発表者名
      小林千恵(小笠原永久)
    • 学会等名
      日本機械学会 山梨講演会
    • 発表場所
      山梨大学(山梨県)
    • 年月日
      2010-10-23

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公開日: 2012-07-19  

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