研究概要 |
【研究目的】本研究では各種環境施策が省エネ意識・省エネ投資・省エネ活動・実際のエネルギー消費量等に与える影響を定量的に評価し、環境行政において世帯属性に応じたきめ細かく有効な施策を講ずるための資とすることを目的とする。平成22年度は太陽光発電導入世帯を中心に,調査と分析を行った。 【研究成果】太陽光発電導入世帯および非導入世帯,それぞれ約300世帯を対象とするWebリサーチを実施し,太陽光発電導入世帯と非導入世帯とを比較しながら,世帯・住居属性・買電量・省エネルギー活動等の実態に関する分析結果を報告した。主な結果は以下の通りである: (1)世帯人員および世帯年収の分布に関しては明確な違いが見られる。世帯年収は太陽光発電導入世帯の方が非導入世帯のよりも高い傾向が見られる。 (2)石油ストーブ・こたつ・ガスファンヒータといった暖房機器に関しては太陽光発電世帯の方が所有していない世帯の割合が高い。 (3)太陽光発電導入世帯の方が食器洗い機・温水洗浄便座・液晶・プラズマテレビ・乗用車・衣類乾燥機といった耐久消費財の所有割合・所有台数が大きい。 (4)志向・行動の傾向に関しては,太陽光発電導入世帯では「家計のために省エネ・省資源を心掛け,家計簿をつけている」という傾向が強い。 (5)導入されている太陽光発電システムの定格出力は3~4kWがもっと多い。また導入のきっかけについては住居新築・改時が最も多く,導入理由としては電気代の節約が圧倒的に多い。 (6)太陽光発電システム導入後の満足度は高く,安全性・操作性・環境性.経済性・デザイン性の各側面で約8~9割の支持を得ている。 (7)太陽光発電導入世帯と非導入世帯とで年平均・夏期・冬期の買電量を比較したところ,夏期には太陽光発電導入世帯の買電量が相対的に小さい。年平均・冬期の買電量に関しては有意な差が見られない。
|