本研究は、建築環境工学的視点から障碍のある児童生徒のための学習空間の音環境要件を探り、特別支援教育を行うための教室の音環境整備に有用な知見をまとめることを目的としている。最終年度にあたる平成24年度は、これまでに行った特別支援教育施設における施設及び教育活動の実態、音環境に対する要望を把握するための調査結果を分析するとともに、発声を主とする音楽療法を行う施設を訪問・調査し音環境上の要件を調べた。その結果から、障碍をもつ児童の学習空間に求められる音環境について考察し、特別支援教育を行うための空間の建築音響性能(室内騒音レベル、遮音性能、残響時間)及び設計上の留意点、音環境の改善手法についてまとめた。その結果を学術的成果として建築学会論文集に投稿した。また、近年改訂予定の「学校施設の音環境保全規準・同設計指針」(日本建築学会発行)に加筆することを視野に入れ、草稿を作成した。
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