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2011 年度 実績報告書

新たな火炎放射モデルに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22760446
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

上川 大輔  独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (30409651)

キーワード赤外分光分析 / 火炎温度 / 赤外熱画像装置 / 火炎の放射率
研究概要

昨年度のうちに実施予定であった赤外分光分析装置(SR5000 IRS社製)によるプロパンガスバーナー火炎からの放射スペクトル分析、熱画像装置による計測を年度前半までに終了し、火炎からの赤外放射スペクトル分布を明らかにした。また、火炎中を透過する赤外線のスペクトル解析を行なう一連の実験を新たに追加し、今年度実施予定であった計画以上の進捗が得られた。火炎を形成する可燃物として、上記のプロパンガスのほかにブタノール、木材クリブ(2×2×25cmのベイマツを各層8本ずつ井桁に組んだもの)を燃料とし、赤外分光装置により火炎からの放射スペクトルならびに火炎背後に設置した黒体炉からの透過放射スペクトルを計測した。ブタノールの実験では、50cm角のステンレス製パンに3リットルのブタノールを入れたものを火源とした。また、木材クリブの実験では、クリブを1個~4個とした条件で計測を行い、火炎幅の増加による放射スペクトルの変化を把握した。これら計測結果を基に、火炎の見かけ上の放射率、反射率、火炎温度、火炎の吸収係数などを明らかにした。この結果を見ると、火炎の温度は当所の予測の通り現状で予測に用いられる値(800~900℃)よりも高く1000℃以上であり、現状の火炎モデルの改良に向けた重要なデータが得られた。
また、一般的な赤外熱画像装置は計測する波長範囲がおよそ7μm~14μm程度であり、火炎温度付近での放射波長のピーク(600~1000℃で2.7~3.2μm程度)とずれがあるが、この計測範囲での火炎放射率と全波長帯せの放射率との関係を明らかにし、赤外熱画像装置による火炎の温度計測出力値を実際の火炎温度へと補正する方法を検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本来の研究計画にある各種火源による火炎からの放射計測に加え、火炎中を透過する赤外線のスペクトル解析を追加し、火炎の波長ごとの放射率や反射率を導くことが可能となったため。

今後の研究の推進方策

今後は火炎内の放射輝度分布を熱画像装置により把握し、より合理的な火炎放射予測モデルの構築を検証してゆく。

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公開日: 2013-06-26  

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