本研究は、今後も頻発化が予想される豪雨災害を対象に、災害関係者の関係構造に着目し、そのネットワークの有り様と特性を各人の「つながり」という観点から微視的に捉え、災害関係者で形成される災害情報授受の構造的な仕組みを明らかにすることを目的とする。結果、平成21年中国・九州北部豪雨災害において甚大な被害を受けた防府市を対象に、(1)防府市役所における災害対応者で形成された初動対応における関係構造と、(2)防府市内で甚大な被害を受けた被災自治会における自治会長から見た被災者の関係構造について、ネットワーク分析及びヒヤリング等によって、微視的な関係構造を導くとともに一部担当者や自治会長に過剰負荷がかかる現実を定量的、定性的に明らかにした。
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