今年度の研究実績は以下のようにまとめられる。 (1)イギリス議会文書BPPのうち、1878年から1899年の在中国の領事報告を含む巻号を購入し、各開港場におけるイギリス人商人たちの動向や都市整備状況を把握した。 (2)外国人・機関名鑑(ディレクトリー)の1860年ころから1920年ころまでを通覧し、各開港場におけるイギリス人商人の進出状況を把握し、商館の造営時期をたどる手掛かりとした。 (4)香港や上海で発行されていた当時の英字新聞を通読し、各開港場におけるイギリス人商人たちの建築的な活動状況を把握した。 (5)19世紀東アジア最大の規模を誇ったジャーディン・マセソン商会の文書を閲覧し、同商会の各支店建物の建設経緯、仕様について復元考察を行った。また、その内容の一部を、アジア近代建築・都市史研究会や東アジア建築文化国際会議において発表した。
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