研究概要 |
本研究はイタリア・ルネサンス最後の建築家ヴィンチェンツォ・スカモッツィが自らの建築理論の中心におく建築六原理、すなわちordine,disposizione,distribuzione,corrispondenza,venusta,decoroの意味内容と、それら原理間の関連を明らかにすることを目的としている。 この六原理は古代ローマの建築理論家ウィトルウィウス以降の古典主義的建築理論の根幹を成し、建築制作の根拠として用いられてきた。いまだ解明されていないスカモッツィの建築理論の全体像と細部を明らかにするために、本研究は実施される。23年度上半期は22年度の遅れを引き継ぎ、22年度に国外で収集した関係資料を基に、スカモッツィに影響を与えたと考えられるウィトルウィウス、アルベルティ、バールバロの六原理の意味を把握する作業に努め、その結果を纏めた。下半期は、スカモッツィの六原理の訳出と意味の把握を試み、さらに国外で関係資料の閲覧・収集に努めた。この関係資料を参照しながら意味の把握に誤りがないか、現在(24年5月現在)研究を進行中である。 平成24年度上半期の早期に、スカモッツの六原理の意味を確定した上で、原理間の関連を明らかにする作業を進めていきたいと考えている。
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