研究概要 |
酸化物イオン伝導体として酸化セリウムCeO_2に着目した。液相法によってセリウム(Ce)より酸化数の小さい種々の金属カチオンを置換して、CeO_2中の酸素欠陥数の向上を図った。次に、金属カチオン(Ca,MgあるいはY)を置換したCeO_2とCO_2吸収体である酸化カルシウム(CaO)からなる複合体を作製して、そのCO_2吸収分離能を調査した。その結果、Ca置換型CeO_2を用いた粉末が、300~500℃の範囲で最も優れたCO_2吸収能を有することがわかった。なお、吸収率は500℃以上において、CaOのほぼ100%がCO2の吸収分離に寄与したことを示している。 合成したCa置換型CeO_2、Mg置換型CeO_2及びY置換型CeO_2とCaOをからなる多孔質複合体CaO/Ca-CeO_2、CaO/Mg-CeO_2及びCaO/Y-CeO_2の形態をSEMにより調査したところ、Ca置換型CeO_2を複合化した試料が最も微細な多孔質構造を有することが分かった。このような微細な多孔質構造が、優れたCO_2吸収能につながったと考えられた。
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