研究概要 |
次世代火力発電(A-USC)プラント用に開発された新規オーステナイト系耐熱鋼の強化相であるLaves相の役割を調べた.本研究ではA-USCプラントに適用可能なFe-20Cr-30Ni-2Nb鋼を用いて, Fe_2Nb Laves相の粒界被覆率を0%~90%に変化させた鋼の機械的性質を調べた.破壊をもたらすき裂は粒界Laves相やLaves相/γ-Fe母相界面を伝播せず,使用条件である700℃だけでなく液体窒素温度においても同様である.また,オーステナイト母相と平衡するLaves相は室温において塑性変形する.したがって,オーステナイト系耐熱鋼の強化相であるLaves相は塑性変形能を有し,高温だけでなく室温においても鋼を脆化させないことが明らかとなった.
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