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2011 年度 実績報告書

高キャリア濃度を有するアニオン伝導性高分子の合成と燃料電池への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22760536
研究機関首都大学東京

研究代表者

田中 学  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (00531831)

キーワード高分子電解質 / アニオン伝導 / 燃料電池 / アイオノマー / イオン導電率 / アンモニオ基 / ポリエーテルスルホン / フルオレニル基
研究概要

昨年度、フルオレニル基を有するポリエーテルスルホンケトンの合成とクロロメチル化を経たアンモニオ基導入に成功し、新たなアニオン伝導性電解質を合成した.さらに初期物性としてアニオン導電率等を評価し、分子設計指針に基づく、優れた特性を有することを明らかにした。
本年度は、さらなる特性向上をめざし、ブロック構造を有する新たなアニオン伝導性電解質の合成を行った。また、アニオン導電率測定に加え、耐久性試験や燃料電池特性評価なども行い、アルカリ燃料電池への適用可能性を実証した。
具体的には以下を実施した。
1) 昨年度の知見を基に、より高い特性が期待される親水/疎水マルチブロック構造を有するホリエーテルスルホンを合成した。アンモニオ基導入条件を最適化し、高キャリア濃度(すなわち高いイオン交換容量IEC)を有する新規アニオン伝導性電解質を得た。その際、分子量やIEC、親水/疎水鎖長の異なる一連の電解質もあわせて合成した。
2) 新規材料の特性を明らかにするため、各種測定や安定試験、すなわち水酸化物イオン伝導率および含水率測定、熱物性評価や機械強度測定などを行った。水酸化物イオン伝導率は従来報告されているアニオン電導性電解質膜中で最も高い値(水80℃で144mS/cm)を示し、優れた特性を有することが示された。また走査型透過電子顕微鏡を用いたナノオーダーにおける膜のモルフォロジー観察など、新規アニオン電導性電解質膜の基礎物性を明らかにした。さらに水中または高温下での耐久性加速試験や長期試験などを行い、実用化に向けた特性もあわせて評価した。
3) 高分子電解質構造(ブロック鎖長、分子量、IEC)と各種物性の相関を議論し、さらなる特性向上耐久性向上に向けた指針を得た。さらに、本研究で得られた最良の電解質膜を用いて燃料電池発電特性を評価し、優れた特性(最大出力297mW/cm^2)を有することを明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Durability of sulfonated polyimide membrane in humidity cycling for fuel cell applications2012

    • 著者名/発表者名
      K.Miyatakea, H.Furuya, M.Tanaka, M.Watanabe
    • 雑誌名

      Journal of Power Sources

      巻: 204 ページ: 74-78

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anion Conductive Block Poly(arylene ether)s : Synthesis, Properties, and Application in Alkaline Fuel Cells2011

    • 著者名/発表者名
      M.Tanaka, K.Fukasawa, E.Nishino, S.Yamaguchi, K.Yamada, H.Tanaka, B.Bae, K.Miyatake, M.Watanabe
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 133 ページ: 10646-10654

    • DOI

      10.1021/ja204166e

    • 査読あり
  • [学会発表] ブロック/グラフト構造を有するスルホン化ポリイミド電解質膜の作製と特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      田中学, 山崎浩太, 川上浩良
    • 学会等名
      第52回電池討論会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2011-10-17
  • [学会発表] ブロック/グラフト構造を有するスルホン化ポリイミドの合成と電解質膜特性評価2011

    • 著者名/発表者名
      田中学, 山崎浩太, 川上浩良
    • 学会等名
      第60回高分子討論会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2011-09-28
  • [学会発表] 燃料電池応用を目指したスルホン化ポリイミドナノファイバーの作製と評価2011

    • 著者名/発表者名
      田中学, 竹森諒平, 川上浩良
    • 学会等名
      第60回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2011-05-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.comp.tmu.ac.jp/m-tanaka/index.html

  • [産業財産権] Anion-Exchange Resin and Fuel Cell Containing the Anion-Exchange resin2010

    • 発明者名
      渡辺政廣, 宮武健治, 田中学, 松野宗一
    • 権利者名
      山梨大学、(株)カネカ
    • 産業財産権番号
      特許、WO 2011/099213 A1
    • 出願年月日
      2010-11-29
    • 取得年月日
      2011-08-18
    • 外国

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公開日: 2013-06-26   更新日: 2019-06-06  

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