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2011 年度 実績報告書

ナノ組織構造化による銅合金の熱・電気物性の飛躍的向上

研究課題

研究課題/領域番号 22760558
研究機関大阪大学

研究代表者

今井 久志  大阪大学, 接合科学研究所, 特任講師 (30452379)

キーワード銅合金 / カーボンナノチューブ / 単分散 / 熱・電気伝導 / 粉末冶金法
研究概要

前年度においては,純銅粉末にカーボンナノチューブ(CNT)単分散被覆した粉末固化成形体による熱・電気伝導率の向上について調査した.CNT単分散被覆は可能であるがCuとCNTとの間で結合性が低く,固化成形体において熱・電気伝導特性は向上しなかった.そこで本年度は,CuにTiを微量添加した合金(cu-Ti)を母相として,熱処理時のTiとCNTの反応により,母相とcNTとの結合を増加させ,高強度かつ熱・電気伝導特性に優れる合金を開発し,その特性向上のメカニズムについて検討した.Cu-Ti合金粉末においても,前年度に確立した湿式手法によって,CNTを粉末表面に単分散被覆できることを確認した.0.19wt%CNr付着Cu-Ti粉末を利用した際,固化成形体の電気伝導率は83.5LACS%,熱伝導率は357w/mKを示した.いずれもCNT無添加cu-Ti材に比べて約2倍,純銅の85%の性能を保持した.CNTの添加とともに強度は若干の低下を示すが,0.19wt%CNT付着材では,YS:175.9MPaと同加工条件の純銅粉末押出材の約2倍を示す.一方,CNT付着量が過剰になると伝導率,機械的性質ともに低下する.組織観察の結果から,旧粉末粒界三重点付近にCNTの凝集が確認され,これらが粉末間結合を阻害し,諸特性を低下させると考える.TEM-EDS分析結果より,CNTが存在する旧粉末粒界付近では反応層の形成が確認された.元素量分析から,cNT無付着cu-Ti粉末押出材の素地中のTi固溶量がo.22wt%℃あるのに対し,CNT付着粉末押出材ではo.03wt%とTi固溶量が低下した.CNTと母相間はTi反応層によって結合を保持し,同時にTi固溶量の減少で母相のThermal passとElectrical passが増加することで,高強度と高熱・電気伝導率を両立した材料が作製できる.

研究成果

(1件)

すべて 2011

すべて 学会発表

  • [学会発表] Ti微量添加銅合金粉末を用いた炭素系ナノ粒子分散複合材料の組織と諸特性2011

    • 著者名/発表者名
      今井久志, 近藤勝義
    • 学会等名
      粉体粉末冶金協会平成23年度秋季大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2011-10-27

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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