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2010 年度 実績報告書

超音速フリージェットPVDによるナノ結晶軟磁性Fe基膜の形成

研究課題

研究課題/領域番号 22760565
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

湯本 敦史  芝浦工業大学, 工学部, 助教 (20383987)

キーワード磁性 / ナノ材料 / コーティング / 超音速ガス流 / 磁気シールド
研究概要

軟磁性材料は,磁気記録装置の磁気ヘッドや,トランス,モーター等の磁心として広く活用されている.軟磁性材料に要求される特性として,高飽和磁束密度(高Bs)と低保磁力(低Hc)が特に挙げられる.高Bsと低Hcの両立を目指した取り組みとして,結晶粒微細化により保磁力(Hc)が低下するという報告がなされている.結晶粒を微細化していくと,結晶粒子間に働く交換相互作用により結晶磁気異方性が平均化され磁気異方性が抑制・低下し,Hcが低下する.しかし,Fe系軟磁性材料の結晶粒微細化には合金元素の添加が広く用いられるが,Fe系軟磁性材料のBsはFeの含有量に左右されるため,合金元素の添加によりFe含有率の低下と共にBsも低下してしまうという技術的課題が存在する.
著者は,新しいコーティング法として超音速フリージェットPVDを提案・開発している.本法は,生成直後の活性なナノ粒子を超音速ノズルにより生起する超音速ガス流により高速に加速,基板に衝突堆積させることで膜形成する技術である.ナノ粒子の堆積により膜形成させるため,本法により形成される皮膜は,ナノ結晶粒を呈する.
本研究は,超音速フリージェットPVDによりナノ結晶Fe膜を形成し成膜条件が及ぼす磁気特性への影響,およびFe膜とAl基材間の密着性を評価検討することを目的とした.
超音速フリージェットPVDによりFe膜を成膜し,膜組織と結晶構造,磁気特性,密着性を評価した結果,結晶粒径が~16nm程度の緻密で欠陥の無いナノ結晶Fe膜が形成可能であること,Al基板との高い密着性を有していることを明らかとした.磁気特性は,成膜条件によりHcの値に差異が生じることが確認され,本研究において最も優れた軟磁気特性示したFe膜では,保持力の平均がHc=32.6A/m,飽和磁束密度の平均Bs=2.2Tであり,優れた軟磁性特性を有していることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 超音速フリージェットPVDによるTi膜の機械的およびトライボロジ特性2011

    • 著者名/発表者名
      湯本敦史, 永山勝久, 西谷要介, 丹羽直毅
    • 雑誌名

      材料技術

      巻: 第29巻第1号 ページ: 1-7

  • [雑誌論文] 科目「セミナー」を活用した社会人基礎力向上の試み2011

    • 著者名/発表者名
      丹羽直毅, 小林光男, 八戸英夫, 湯本敦史
    • 雑誌名

      工学教育

      巻: 59 ページ: 2_97-2_102

    • 査読あり
  • [学会発表] 超音速フリージェットPVDによるNdFeB膜の形成2011

    • 著者名/発表者名
      若生修一, 湯本敦史, 永山勝久, 丹羽直毅
    • 学会等名
      表面技術協会
    • 発表場所
      関東学院大学(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2011-03-07
  • [学会発表] 超音速フリージェットPVDによる軟磁性Fe膜の密着性評価2010

    • 著者名/発表者名
      湯本敦史, 山本剛久, 廣木富士男, 丹羽直毅
    • 学会等名
      表面技術協会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2010-09-06

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公開日: 2012-07-19  

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