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2011 年度 実績報告書

鉄スクラップからの低温凝固脱銅

研究課題

研究課題/領域番号 22760575
研究機関大阪大学

研究代表者

中本 将嗣  大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任助教 (80467539)

キーワード鉄スクラップ / 脱銅 / 凝固偏析 / 一方向凝固
研究概要

鉄スクラップにはトランプエレメントと称される不純物成分(Cu等)が含まれ、我が国製鉄業が得意とする高級鋼材の原料としての使用が制約されている。近年、海外に依存する鉄鋼原料である鉄鉱石、石炭等が海外資源メジャーの寡占下で急騰しており、これら資源の乏しい我が国にとって、国内に蓄積されている鉄スクラップ資源を看過すべきではない。トランプエレメントを除去する技術は必要不可欠であり、様々な技術が開発されてきたが実用化には至っていないのが現状である。本研究ではFe-Cu-C系におけるCu含有γ-Feの凝固偏析を利用してCuを除去する凝固精製法での脱銅技術の確立を目指している。昨年度はFe-C-Cu系融体の一方向凝固実験を実施し、凝固後にCuの濃度分布を確認した。本年度は、昨年度の結果を踏まえ(1)Cuの凝固偏析におよぼす凝固速度の影響、および、(2)Cuの凝固偏析におよぼす初期に含まれるCu濃度の影響について調査した。(1)凝固速度を変化させた実験結果から、凝固速度を小さくすることにより平衡状態図に従って凝固がおこることから、Cuの偏析の程度が大きくなることが分かった。(2)系中に含まれるCu濃度が0.1~2.0mass%の範囲では、Cuの凝固偏析が生じることを確認した。この結果に基づく解析から、凝固中の固相/液相間のCuの偏析係数は、濃度に依存せずおよそ1.2であることを明らかにした。また、初期のCu濃度0.1mass%に本技術を適用した場合、鋼材に影響のないCu濃度である0.1mass%未満を満足する部分が、試料中の30%を占めることが明らかとなった。以上より、凝固精製法による脱Cuの可能性を見出すことができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Fe-C-Cu融体の凝固偏析を利用した脱Cu2011

    • 著者名/発表者名
      中本将嗣
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第162回秋季講演大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2011-09-22

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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