• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ゾルゲル法による超薄膜パラジウム分散型シリカ系高水素選択透過膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22760583
研究機関広島大学

研究代表者

金指 正言  広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10467764)

キーワードゾルゲル法 / シリカ / パラジウム / 水素分離膜
研究概要

H22年度までの研究成果により,パラジウムをシリカ前駆体である珪酸エチル(TEOS)加水分解の段階で添加することで,アモルファスシリカ内にパラジウムを高分散,あるいはシリカとの複合化が可能であることが明らかになった。また膜構造をTEMにより評価したところ,アモルファスシリカ内に8nm以下のPdが高分散したMixed-matrix構造であることが明らかになり,SiO_2膜と比較して水蒸気安定性を有している可能性が示唆された。
H23年度はパラジウム添加率が,水素透過率,水素選択性,製膜性に及ぼす影響について検討を行なった。Pd-SiO_2膜(Si/Pd=3/7,2/8,1/9(モル比))は,H_2/He透過率比が1よりも大きくなった。一般にシリカ系水素分離膜では,分子ふるいが気体透過メカニズムであるため,分子サイズが小さいHe(d_m=0.26nm)がH_2(d_m=0.289nm)よりも透過率が大きくなる。本研究で開発したPd-SiO_2膜は,パラジウム添加率が増加するにつれて,Pd粒子による水素透過パスが発現し,H_2/He透過率比は大きくなったと考えられる。Pd-SiO_2膜(si/Pd=1/9)は最大で3.7を示した。一方で,パラジウム添加率が大きくなるほど製膜後,水素透過に対する安定性に欠ける傾向が確認された。これは,水素透過に伴い水素との分離対象である,N_2透過率が増加し水素選択性が低下するもので,TEMにより水素透過前後のゲル粉体試料の評価を行なったところ,製膜直後はアモルファスシリカ内に高分散していたパラジウムが,水素透過により移動・凝集していることが明らかになった。今後は水素透過に対してパラジウムの移動・凝集を抑制するために,製膜プロセスの最適化を図る必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ゾルーゲル法による多孔質シリカ膜の細孔径制御法と耐水蒸気性2011

    • 著者名/発表者名
      金指正言
    • 雑誌名

      膜(MEMBRANE)

      巻: 36 ページ: 97-103

    • 査読あり
  • [学会発表] 高水素選択性を有するPd-SiO_2薄膜の開発と水素透過特性2011

    • 著者名/発表者名
      金指正言
    • 学会等名
      日本膜学会第33年会
    • 発表場所
      産総研臨海副都心センター
    • 年月日
      2011-05-12
  • [図書] Gas permeation properties of helium, hydrogen and polar molecules through microporous silica membranes at high temperatures : Correlation with silica network structure2011

    • 著者名/発表者名
      Masakoto Kanezashi
    • 総ページ数
      20
    • 出版者
      Elsevier

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi