ナノカーボン材料を酸素やメタクロロ過安息香酸により酸化し、その後加熱することで空孔欠陥を導入した。この空孔欠陥のサイズの制御を行うためその欠陥構造の詳細を透過型電子顕微鏡やX線分光分析や量子化学計算により分析した。その結果、酸素との反応では250℃以下で酸化反応が進行しカルボニルやラクトンを経由して一酸化炭素や二酸化炭素として空孔欠陥を生成した。フラーレンのエポキシ化では、エポキシ基、カルボニル、ラクトンが生成し、これを加熱することによりエポキシ基やラクトンが減少し、カルボニルとカルベン(空孔欠陥)が残った。透過型電子顕微鏡でも空孔欠陥は確認されたが、欠陥が反応によって生成したものかを証明することが今後の課題となっている。
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