バイオマスケミカルルーピングプロセスの高効率化のため、金属酸素担体の開発およびダイレクトルーピング実証試験を行い、以下のことが明らかとなった。 1)カルシウムフェライト系酸素担体の還元率はMg系、あるいはTi系の酸素担体にくらべて大きいものの、Niの混合量や焼結温度により性能が大きく異なる。 2)反応速度についてはカルシウムフェライトはMg系、あるいはTi系にくらべて速く、Niを混合や焼成温度によっても反応速度が大きく変化することはなかった。 3)BDCLPにおける水素製造効率の向上には、カルシウムフェライトを酸素担体として使用することが効果的である。ただし木質投入により生成するタールは酸素担体の反応性に悪影響を及ぼすため、酸素担体にタール分解効果のあるNiを添加することが有効である。 4)酸素担体の比表面積は反応率の向上に大きく影響することから比表面積の大きな酸素担体を利用することが極めて重要である。
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