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2010 年度 実績報告書

生物時計由来素子を用いた人工時計細胞デバイスの創製

研究課題

研究課題/領域番号 22760604
研究機関名古屋大学

研究代表者

小嶋 勝  名古屋大学, 工学研究科, 特任助教 (00533647)

キーワード生物物理 / 生物・生体工学 / ナノバイオ / 分子機械 / 生体機能利用
研究概要

唯一、試験管内再構成が可能なシアノバクテリア生物時計由来素子であるナノサイズ時計タンパク質KaiA, KaiB, KaiCを微小空間内に封入し、制御性を高めたナノ・マイクロサイズの人工時計細胞デバイスを生み出すことを目的として本研究を推進している。まず、時計タンパク質を人工膜小胞中に再構成し、時計としての活性を保持しているかの確認を行う前段階として、油中におけるリン脂質被覆ドロップレット中での時計タンパク質の再構成とその活性検出を試みた。その結果、再構成された時計タンパク質は24時間周期ではなく35時間の長周期となっていたが、少なくとも4日間、時計として機能することが確認された。この結果から人工時計細胞デバイス創製の可能性が示された。次に、何が原因となって長周期化が起こっているのかを明らかにするために、時計タンパク質に蛍光標識を行い、膜小胞中での動的変化を明らかにすることを試みた。蛍光標識によるKaiタンパク質のドロップレット内の局在を観察した結果、KaiCがドロップレット膜近辺へ局在していることが確認された。このため、長周期化の原因はKaiCが膜近辺へ局在することで、局所的なKaiCタンパク質濃度が上昇し、Kaiタンパク質の濃度バランスが通常の状態と異なるために引き起こされている可能性が示唆された。これらの成果は生物時計の応用への土台となるだけでなく、より細胞に近い膜小胞中再構成における生物時計の新たな振る舞いを明らかにし、新しい知見をもたらす成果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] リン脂質被覆小胞にカプセル化された生物時計活性の評価2011

    • 著者名/発表者名
      小嶋勝
    • 学会等名
      ナノ・バイオメディシンシンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学野依学術交流館
    • 年月日
      2011-02-21
  • [学会発表] Reconstitution of Biological Clock into Microdroplet2010

    • 著者名/発表者名
      小嶋勝
    • 学会等名
      第48回日本生物物理学会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス
    • 年月日
      2010-09-21
  • [学会発表] Evaluation of Nano Biological Clock Activity Capsulated by Lipid Layer2010

    • 著者名/発表者名
      小嶋勝
    • 学会等名
      IEEE- 10th International Conference on Nanotechnology
    • 発表場所
      韓国 ソウル KINTEX
    • 年月日
      2010-08-18

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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