航空機からの二酸化炭素排出量削減のため、研究代表者は、圧縮機静翼を熱交換器として利用する新しい中間冷却・再生した航空用ガスタービンを提案した。この新型中間冷却・再生エンジンのより正確なサイクル計算のため、熱交換性能を評価する実験を行った。実際のジェットエンジンの圧縮機を再現するため、1:マッハ数0.6の高温空気を循環式風洞により形成した、2:圧縮機静翼としてNACA65-(12A2I8b)10翼型の3枚翼列を使用した、3:二酸化炭素、水を最大30MPaの高圧低温冷媒として、循環ポンプと冷却部を備えた循環流路内に封入した。この装置を用いて0oから25.5oの迎角で実験を行い、従来の伝熱に関する経験則との比例係数の違いを評価した。空気-翼型熱交換器の間の伝熱に関してはDittus-Boeltercorrelationの係数0.023に対して、二酸化炭素で0.057、水で0.033が得られた。冷媒-翼型熱交換器の間の伝熱に関してColburnanalogyの係数0.037に対して、二酸化炭素で0.024、水で0.034が得られた。本知見により、新型中間冷却・再生エンジンのより正確なサイクル計算が可能となった。
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