研究概要 |
極超音速希薄風洞(HRWT;Hypersonic Rarefied Wind Tunnel)実験と粒子数値解析を融合することにより,極超音速希薄気体における空力現象の観測手法とともに,物質の表面係数測定法を確立することが目的である.主な研究の成果を以下に示す.1.極超音速希薄流れの最適化:(1)ノズル内部から計測部にかけて連続流から希薄流に遷移する流れ場の解明に向けてCFD(Computational Fluid Dynamics)/DSMC(direct simulation Monte Carlo)連成数値解析手法を確立した.(2)ノズル形状の最適化を行ったところ,マッハ数10以上,クヌーセン数0.1以上の一様な極超音速希薄コア流れを再生するためには,半頂角45度のコニカルノズルが最適であるとの結論が得られた.(3)45度コニカルノズルを新規に製作し,気流検定を行った.(4)タングステンヒーターを使用し淀み温度を400K以上に加熱することにより,マッハ数10以上,クヌーセン数0.1以上の双方の条件を満たす直径25mm以上のコア流れの再生に世界で初めて成功した.2.計測-解析融合手法の確立:(1)気流検定に向けてCCDカメラを用いた画像処理技術による釣り下げ式球模型の変位計測とDSMC数値計算を融合したHRWT-DSMC融合解析手法を確立した.(2)DSMC数値解析において希薄境界層厚さ補正法の確立,背圧境界粒子生成の導入により極超音速希薄風洞性能評価技術が向上した.(3)HRWT-DSMC球模型融合解析手法による1自由度物質表面係数計測システムが確立し,熱適合係数の決定が可能となった.
|