研究概要 |
本年度は、以下の(1)~(3)に示す3つの主要な研究項目を遂行した。 (1)デジタルカメラを用いた画像処理による三次元溶接変形計測法の高性能化 申請者が独自に開発したデジタルカメラを用いた画像処理による三次元溶接変形計測法に対し、修正変位法6)および画像拡大法7)を導入することにより,高精度化した計測法を新たに開発した.さらに、溶接変形計測に即した簡易かつ汎用的に使えるカメラキャリブレーションのためのカメラ特性マトリックスを幾何的性質より導出することで計測精度向上のための工夫を施した。さらには、時空間微分法8)を導入することにより、画像照合の際の計算時間を大幅に低減した。 (2)デジタルカメラを用いた画像処理による溶接固有変形同定システムの構築 デジタルカメラを用いた画像計測により得られた1000万点以上ある変位情報を,逆解析による手法を用いて統計的に処理することにより,その最確値として高精度な溶接固有変形主要4成分を同定するシステムを構築した. (3)小型構造への適用による溶接固有変形同定システムの妥当性検証 2次元問題の適用例として,小型構造に対しビードオンプレート、板継溶接およびT継手MAG溶接を実施し,その際に発生する溶接固有変形主要4成分を算出した.ここでは、溶接固有変形主要4成分により構造全体の溶接変形が再現可能かどうか、それらの値を用いて、固有変形に基づく弾性非線形FEM解析を実施することにより、妥当性について検証した。また,計測精度に影響を及ぼす、本手法に含まれるパラメータについて調べるため,感度解析を実施した。
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