研究概要 |
前鞭製作した波力発電用衝動タービン(ケーシング直径200mm)およびコアレス発電機(定格出力200W)を用いた実海域試験により,衝動タービンを搭載した波力発電装置の性能を調査した.本研究の具体的内容は,次の通りである. 1.波力発電装置の設計・製作 本研究は,当初,研究代表者所属機関の近辺の港湾において,防波堤を利用した固定式波力発電装置により実証試験を実施する予定であったが,漁業等への影響により防波堤への装置の固定が困難になった.そこで,浮体式波力発電装置での実証試験に変更し,新たに装置の設計および製作を実施した. 2.予備試験 項目1で製作した装置に,前年度製作したタービンと発電機を搭載することで浮体式波力発電装置を組み立てた.そして,簡易的なピストン式往復流発生装置を用いて空気流量と発電機の出力と回転数を測定し,測定データの解析を行うことで,実証試験における発電装置の性能を予測した. 3.実海域試験におけるタービン試験装置の設置・運転 製作した発電装置を海岸に設置し,波の波高および周期に対する発電機からの出力を測定することで,入力波浪パワーと衝動タービン出力の関係を調査した. 当初の計画では,項目3の実海域試験において,タービンの幾何形状や発電装置の負荷として利用した巻線抵抗器の抵抗値を変化させて,実証試験を実施する予定であったが,当初の計画になかった項目1の作業の影響により,当該年度において実施できなかった.今後は,研究代表者の所属機関の経費により実証試験を継続し,波浪エネルギーの大きさに対する衝動タービンの出力および好適なタービン形状に関する知見を得る予定である.
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