研究概要 |
平成23年度の研究計画は、1)前年度に開発した要素技術に対する問題点の解決、2)流体・運動ソルバーと、格子間補間情報計算コードの統合、3)開発したシステムの、実問題への適用と改良の3項目であった。項目1)については、予測運動計算を行う際の運動計算ルーチンの計算安定化を行い、平成22年度には解くことの出来なかった問題、特に(1)2次元円柱で、質量比が小さくsurge-swayの両方向に大きく運動するケース、(2)3次元船体で、波長船長比が1付近のheave-pitchの両運動振幅が大きいケース、が解けるようになった。項目2)については、流場全体をスプライン関数で補間し、格子間補間情報ではなく補間された流場そのものを求める方法の、流体・運動ソルバーとの統合を試みたものの、重合格子を用いて予測運動を解くまでには至らなかった。項目3)については、Wigley船型・Series 60船型といったベンチマーク船型の他に、実用船型であるVLCCに対しても、波浪中での2自由度予測運動計算を行い、計算結果(heave,pitchの振幅および入射波に対する位相差、波浪中抵抗増加量)が、実験値と概ね一致する傾向を示した。また、運動の予測を、heave,pitchに限定せず、surge,sway,roll,yawまで出来るようにコードを改良し、6自由度運動対応とした。今年度に行った研究成果は、学会発表を1回行った。
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