研究課題
若手研究(B)
超音波を用いてオイルサンドからビチューメンを水溶液中で分離した。有機溶剤を使用せずに、できるだけ低温にて高効率で分離回収することを目標とした。超音波は分散作用や剥離作用が期待できる28kHzと化学作用が期待できる200kHzを使用した。溶液温度は45℃と85℃で行った。45℃では28kHzのみビチューメンが回収できた。85℃ではビチューメンの粘度が温度上昇に伴って低下したために、剥離作用が強い28kHz、弱い200kHzともに回収が可能であった。過酸化水素と超音波の併用についても実験を行ったところ、100ppm以上の添加で良好な結果が得られた。過酸化水素由来の酸素ガスがオイルサンド表面に付着することが良好な結果を導いた。200kHzの超音波による化学作用で生成した過酸化水素は、15分照射で10ppm程度であったため十分には寄与しなかった。しかしながら、高周波数超音波は照射による生成気泡数が多く、気泡圧壊に伴う剥離作用の領域が広いため、80℃以上の環境では過酸化水素と併用することでオイルサンドからビチューメンを高効率で回収可能であることが明らかになった。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: Vol.50 ページ: 07HE12-1-07HE12-4