研究概要 |
最初に、先だって、Mo-100の高濃縮サンプルの購入を行った。また、そのサンプルに含まれる不純物の初期値を調べるため、サンプルの一部をJRR-3の即発ガンマ線測定装置STELLAで測定し,FNSでの照射前のデータを得た。また、そのサンプルの情報より、製造するMo-99の収量計算の予測も行った。 平成22年10月に原子力研究開発機構の原子力研究開発機構核融合中性子源施設(FNS)の小型加速器を用いた照射実験を行った。濃縮Mo-100サンプルの一部を取り分け、その照射は6時間行い、その後、24時間冷却し、短半減期の放射性物質が無くなってから、製造されたMo-99からの放射能を測定した。測定した放射能は、前節の収量予測と一致しており、照射が予測通りに行われている事を確認した。また、この情報を元に、次におこなうTc-99mの抽出率の算出を行う。 10月の照射実験後は速やかに、昇華法を用いた化学分離を原子力研究開発機構内のRI実験棟のフード内で行い、抽出率を測定した。また、再抽出を行ったが、昇華法では、初回の抽出にくらべ、2回目以降の抽出を行う際に、同じ条件では抽出が難しく、温度をより上げ、さらに温度勾配に工夫が必要であることが明らかになった。研究協力者の尽力により平成23年度はより高性能な抽出装置が計画されており、それを用いることで高い抽出率を期待できる。 抽出後に残ったMo-100については、現在,次年度の実験の準備のため、放射能が低くなるまで冷却中である。また、,同時にJRR-3で得られた即発ガンマ線の解析を行っており、照射前のサンプルの不純物に関する情報を得ている。
|