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2011 年度 実績報告書

イオンビームによる金属酸化物の格子欠陥を利用した燃料電池用金属ナノ粒子触媒の創製

研究課題

研究課題/領域番号 22760678
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

八巻 徹也  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10354937)

キーワードイオンビーム / 電子励起効果 / 金属ナノ粒子 / 格子欠陥 / 酸素還元 / 燃料電池 / 担体 / 触媒・化学プロセス
研究概要

本研究では、イオンビーム誘起の高密度電子励起によって金属酸化物、特に二酸化セリウム(CeO_2)に格子欠陥を形成し、それを担体として白金(Pt)ナノ微粒子の析出を制御することで、高い活性と耐久性を兼ね備えた固体高分子形燃料電池用の酸素還元触媒を創製した。最終年度である今年度は、Pt微粒子/CeO_2薄膜試料を作製し、そのイオン照射効果に対して、特に触媒性能を示唆する電気化学特性に着目しながら評価を進めた。具体的には、以下のとおりである。
まず、結晶性の高い薄膜を得るため新たにレーザーアブレーション(PLD)法を導入し、CeO_2ターゲットを用いてNbドープチタン酸ストロンチウム(100)基板上に厚さ数百nmのCeO_2薄膜を堆積した。その後、空気中、1000℃で加熱し、基板の配向性を利用してCeO_2の結晶性をさらに高めた。この薄膜の上に堆積するPt微粒子については、量子サイズ効果と高い触媒活性の発現という観点から、Ptターゲットのアルゴンイオンビームスパッタにより粒径を4nm以下に制御した。次に、サイクロトロン加速器からの450MeV^<129>Xeビームをフルエンス3×10^<12>ions/cm^2まで室温で重畳照射し、その電子励起状態により格子系へのエネルギー緩和を誘起し酸素空孔を効率的に形成した。
こうして得られた照射試料を作用極、Pt線を対極として、酸性下(過塩素酸水溶液中)でのボルタンメトリー測定を行い、還元の開始電位、有効活性面積(水素吸脱着に伴う信号を利用)を測定した。加えて、回転電極法を利用したLevich式による詳細な解析も行い、電荷移動速度などを含む真の酸素還元活性を評価し、これらの結果により燃料電池用触媒への応用性探索、研究全体の総括を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] 量子ビームを利用した燃料電池用高分子電解質膜の創製に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      八巻徹也
    • 雑誌名

      膜

      巻: 36 ページ: 240-247

    • DOI

      DOI:10.5360/membrane.36.240

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Conductometrie Analysis for the Formation of Poly (Vinylidene Fluoride)-Based Ion Track Membranes2011

    • 著者名/発表者名
      T.Yamaki, et al
    • 雑誌名

      ECS Transactions

      巻: 35 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1149/1.3643329

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Water Diffusion in Fluoropolymer-Based Fuel-Cell Electrolyte Membranes Investigated by Radioactivated-Tracer Permeation Technique2011

    • 著者名/発表者名
      S.Sawada, T.Yamaki, et al
    • 雑誌名

      Proceedings in Radiochimica Acta

      巻: 1 ページ: 409-413

    • DOI

      10.1524/rcpr.2011.0074

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子ビームを利用した燃料電池用高分子電解質膜の創製に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      八巻徹也
    • 学会等名
      日本膜学会第33年会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所臨海副都心センター別館(東京都港区)(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-13
  • [産業財産権] アニオン交換膜2011

    • 発明者名
      山本和矢、八巻徹也, ら
    • 権利者名
      日本原子力研究開発機構, 他
    • 産業財産権番号
      特許、No.13/288,190
    • 出願年月日
      2011-05-13
    • 外国

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公開日: 2013-06-26  

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