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2011 年度 実績報告書

凝縮相中での誘導ラマン遷移による多段階振動励起

研究課題

研究課題/領域番号 22760685
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

笠嶋 辰也  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (10448045)

キーワード振動多段階励起 / 誘導ラマン遷移 / 時間分解振動CARS
研究概要

平成23年度は実験装置の再構築を行った。前年の平成22年度において、当初予定していた設計に従って実験装置を構築したが、レーザー光強度が足りないため、振動CARS信号が検出できなかった。そこで今年度は、光源をレーザー発振器単体から再生増幅器と光パラメトリック増幅器(OPA)に変更して、光強度を増強した。当初の実験装置では、広帯域パルスをダイクロイックミラーで短波長側と長波長側に分離し、短波長側成分を持ったパルスをポンプ光とプローブ光として使い、長波長側成分を持ったパルスをストークス光として使っていた。これに対して、再構築版では、再生増幅器で発生させた光をストークス光として使い、ポンプ光とプローブ光にはOPA装置で波長変換した光を使うようにした。これによって、振動CARS信号発生に必要な光強度を十分に確保することができ、CARS信号を確認できた。次に、信号測定のS/Nを良くするために、信号検出方法をロックイン検出法からフォトンカウンティング検出法に変更した。振動多段階励起が起こった場合の振動CARS信号波形の微妙な変化を正確に捉えるためには、S/Nが少しでも良い方が有利となる。この変更によって、より高精度の計測が期待できる。以上のような、光源と検出系の導入によって、振動CARS測定装置を完成させることができた。
次のステップとして、ポンプ光とストークス光を線形チャープパルスにし、両者の間の瞬時周波数差を時間的に変化させることで振動多段階励起を実現しようと考えているが、現時点ではまだ、振動多段階励起の兆候を捉えるには至っていない。

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公開日: 2013-06-26  

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