研究概要 |
当初の研究実施計画通り,太陽光キャビティをモデル化した数値計算コードの作成を行い,降り注いだ太陽光がどれだけレーザー媒質へと吸収されたか,そしてレーザー媒質長手方向に対して吸収分布がどれだけ平滑であるか,レーザー出力時の出力の安定性を評価指標として用いた. 作成した数値計算コードを用いて,従来よりも特に,従来冷却剤を太陽光キャビティ全体に循環させていたのに対し,冷却材の屈折率を利用した3次集光系を提案,計算から設計を行う事によって,太陽励起レーザーの性能が向上するであろう形状を見出した.更に,実際に太陽光キャビティを作成する事により,その性能評価を行った. 実際に作成した太陽光キャビティを用いて太陽光を用いてレーザー発振の実験を行った結果,3次集光系の集光性能の向上により,太陽光の吸収効率をこれまでの1.3倍向上する事に成功した.さらに,従来はレーザー出力が15%程度の変動があったのに対し,5%にまで低減する事に成功した.これは3次集光系の形状を最適化した事により,太陽光の媒質内での吸収分布が平滑になった事と冷媒の流路,流速を最適化したために冷却効果が増大した事が理由であると考えられる. 以上の事から,研究実施計画通り,太陽光キャビティの数値計算コードを作成し,それを用いる事によって太陽励起レーザーの設計が可能となった.更に,それを利用する事により,太陽励起レーザーの効率の向上を図ることに成功した.
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