研究課題/領域番号 |
22770001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石黒 啓一郎 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (30508114)
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キーワード | 減数分裂 / 染色体分配 / 生殖細胞 / 細胞分裂 / 染色体 |
研究概要 |
マウス精巣からセントロメアタンパク質CENP-Cに対する抗体を用いたaffinity精製により、減数分裂期に特異的な染色体タンパク質の同定をおこなった。その結果、生殖細胞特異的に発現する新規コヒーシンサブユニットRad21Lを同定するに至った。免疫蛍光染色法による検討の結果、Rad21Lタンパク質は減数分裂の前期のleptotene期からPachytene期にかけて相同染色体のaxial element上に局在することが判明した。興味深いことに、この局在はRec8型コヒーシンと相互排他的なパターンを示していることが判明した。これらの結果から、減数分裂の前期に見られるRad21L型およびRec8型コヒーシンの相互排他的な局在パターンがバーコードの様に作用して、相同染色体のpairingに関与しているのではないかと推測された。今年度はRAD21LまたはREC8欠損マウスを用いて減数分裂初期の染色体構造について比較検討を行った。その結果、それぞれのコヒーシンの欠損により、Axial Element構造および相同染色体の対合に部分的な異常が見られ、さらにRAD21LおよびREC8の二重欠損株ではAxial Elementの形成および相同染色体の対合がほぼ完全に消失した。これらの結果は、先の仮説を支持する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
RAD21LまたはREC8欠損マウスを用いた減数分裂初期のAxial Element構造および相同染色体のペアリングついて比較解析を遂行することができた。その結果、それぞれのコヒーシンの欠損により、Axial Element構造および相同染色体の対合に部分的な異常が見られること、さらにRAD21LおよびREC8の二重欠損株ではAxial Elementの形成および相同染色体の対合がほぼ完全に消失することが明らかとなり、先年度に提唱した仮説を支持する結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
RAD21LおよびREC欠損マウスにおいてSC構造に異常が見られたため、電子顕微鏡を用いた解析が今後の課題となった。さらにAxial Elementの構成因子SCP3を欠損させたマウスを用いてペアリングついて比較解析を行う。
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